私たち人間の体の約20%はタンパク質からできていると言われています。
そこで、気になるのが摂取量です。
1回の食事でどれぐらいのタンパク質量が適切なのでしょうか?
また、摂取量が少なすぎた場合や摂り過ぎた場合、体にどのような影響があるのかについてもチェックしていきましょう!
“タンパク質を効率的に摂りたい!”という方も必見ですよ!
ぜひ最後まで目を通してみてくださいね!
1回の食事でどのくらいタンパク質を摂取すべき?
日本人の食事摂取基準によると、一般の人が必要とするタンパク質の量は体重1kgあたり0,8gです。
体重が60kgの人は1日あたり48gが目安となります。
スポーツ栄養の研究報告などでは、“体重1kgあたり1,2~2,0gを目安にするとよいのでは?”という声もありますが、このタンパク質量は、厳しい体重制限をしている人や、一時的に非常に負荷の高いトレーニングをしている人向けであり、健康に全く問題がないのが大前提です。
過剰摂取をしても、健康な人の場合は問題がないという報告もありますが、体重1kgあたりのタンパク質量が2,0gを超えたあたりから、過剰摂取しても記録が伸びなかった、栄養によってスポーツの結果が左右されなかったという報告もあるので、スポーツドクターなど専門家がついている人以外は、体重1kgあたり2,0g未満に抑えておくのがGOODです。
筋力をアップするためには、1日あたりの総摂取量だけでなく、1回の摂取量を調整する必要があります。
1回の食事(または間食・サプリメント)で摂取するタンパク質の目安は、体重1kgあたり0,25g~0,3gだと言われています。
これ以上のタンパク質を摂っても、筋力アップの視点からは効果がないようです。
ただし、カロリーを抑えて減量している人は、就寝する前の食事はその約2倍の0,5gをとっても有効なようです。
整理すると、体重60kgの人の1食あたりのタンパク質摂取量は15~20g、就寝前の食事は最高で30gということになります。
また、運動直後にタンパク質を摂取することもキーポイントです。
非常に負荷の高い運動をしている人には、運動前・運動中のタンパク質摂取が効果的なケースもあるようです。
筋力アップのためには、3食プラス1~2回のタンパク質摂取を目安にしてみましょう。
参考文献:いつどれくらい食べる?筋トレとたんぱく質の多い食事の関係|味の素 マガジン | うま味調味料「味の素」|味の素株式会社
タンパク質の摂取量が少なすぎるとどうなる?
タンパク質は、生きていくために必ず摂取しなければならない栄養素です。
というのも、タンパク質は私たちの体を構成する大切な要素にも関わらず、体では他の栄養素からタンパク質をつくることができないからです。
タンパク質は、たとえば筋肉にとってとても重要な材料です。
タンパク質が不足すると、筋肉の量に変化をもたらして、体に影響が現れる可能性があります。
ここでは、タンパク質の量が不足したときに、どのような影響があるのかをいくつか見ていきましょう!
筋肉量が落ちて太りやすい体質になる
筋肉は体の中で特に大きな組織で、体のタンパク質の50%は筋肉にあります。
普段実感することはないかもしれませんが、筋肉のタンパク質は合成と分解を常に繰り返しています。
通常、合成と分解のバランスは保たれています。
ところが、特に高齢者で食事からのタンパク質の摂取量が減ると、このバランスが崩れて筋肉が減ってしまうと考えられています。
筋肉が少なくなると基礎代謝量が低くなり、エネルギーを消費しにくくなります。
つまり、同じ量を食べても太りやすくなる可能性があるのです。
集中力が低下しやすくなる
脳の栄養といえばブドウ糖のイメージが強いかもしれませんが、タンパク質も脳にとって欠かせない栄養素であると言われています。
脳では絶えず情報の伝達が行われており、神経伝達物質がこれを担っています。
なかでも、記憶、情動、気分に関与する神経伝達物質は必須アミノ酸を材料に体内で作られています。
体は必須アミノ酸を作り出すことができないので、食事からのタンパク質が必要なのです。
たとえば、セロトニンという神経伝達物質は精神を安定させる働きがあります。
むくみや免疫力の影響
タンパク質は、体液を調整する役割もあります。
タンパク質の摂取不足により体内の水分バランスが崩れ、むくみを生じます。
また、体に備わる免疫システムで重要な役割を担う抗体もタンパク質です。
参考文献:たんぱく質不足のサインとは?体への影響と今日からできる対策 | 栄養お役立ち情報 | ネスレ
1回で摂りすぎたタンパク質は体にどう影響するの?
食事からタンパク質を摂ることは、非常に重要ですが、摂り過ぎは健康に悪影響を及ぼします。
内臓疲労
タンパク質を必要以上に摂り過ぎると、栄養として吸収されず、邪魔なものとして体外へ排出されます。
消化の過程で肝臓や腎臓に負担をかける為、内臓疲労を起こす可能性があります。
食事で摂取したたんぱく質は、体内でアミノ酸に分解されたり、合成されたりを繰り返します。
たんぱく質を消化する化学反応の過程で、摂り過ぎた余分なタンパク質は、窒素となりアンモニアに変化します。
アンモニアは体にとって有害物質なので体外へ排出する必要があります。
そこで、役割を果たすのが肝臓と腎臓です。
肝臓でアンモニアを無害な尿素へと変え、さらに腎臓で尿として体外へ排出されます。
肝臓や腎臓によって過剰摂取したタンパク質は体外へ排出されるのです。
カロリーオーバー
タンパク質には、動物性たんぱく質と、植物性たんぱく質があります。
動物性タンパク質には必須アミノ酸を含むものも多く、効率良くタンパク質を摂取できるというメリットがあります。
しかし、同時に脂質も多く、カロリーが高いというデメリットもあります。
動物性タンパク質ばかり摂り過ぎるとカロリーオーバーとなり、皮下脂肪として蓄積されることになり、太るリスクが高くなります。
カロリーを抑えて効率良くタンパク質を摂るために、出来るだけ脂肪分の少ない食品や植物性タンパク質とのバランスを考えましょう。
尿路結石になる可能性
動物性タンパク質の摂り過ぎは、尿路結石の原因となります。
動物性タンパク質を摂取すると、身体の中で「シュウ酸」や「尿酸」という物質が増加します。
シュウ酸は、特にカルシウムと結合する性質を持ちます。
腸の中でカルシウムとシュウ酸が結合して便となって排出されます。
ところがタンパク質を摂り過ぎると、腸で吸収しきれなかったシュウ酸が尿として排出されることになります。
尿に含まれるカルシウムが結合すると、石のような塊となり尿管を詰まらせ、尿路結石を引き起こすのです。
腸内環境の乱れ
大腸内には100種類以上の腸内細菌が常在しています。
腸内細菌には、「善玉菌」と「悪玉菌」、それとどちらにもでもなる「日和見(ひよりみ)菌」がいます。
圧倒的に「日和見菌」が多いのですが、悪玉菌の勢力が強くなると「悪玉菌」に善玉菌の勢力が強いと「善玉菌」へと変化します。
腸内環境は、当然食べるもので変化します。
タンパク質の摂り過ぎで悪玉菌が善玉菌よりも優位になると、日和見菌が一斉に悪玉菌となり腸内環境を乱してしまいます。
腸内環境が乱れると便秘や口臭・体臭の原因になるだけではなく、発がん性物質が多く作られるなどの病気のリスクが高まります。
参考文献:タンパク質の摂りすぎ?摂りすぎで起こる症状から摂取量まで解説 | 健達ねっと
タンパク質を1回で効率的に摂るための食事のコツ
バランス良く幅広い食品を選ぶ!
タンパク質をしっかりと摂取するには、幅広い食品を食べることがポイントです。
高タンパク質な食品から1日の必要量を摂取するだけでなく、さまざまな食品からタンパク質を摂り入れましょう。
タンパク質を多く含む肉や魚介類などは、タンパク質だけでなく脂質も多く含まれていることも少なくありません。
タンパク質を摂ろうとして、高タンパク質の食品ばかりたくさん食べると、脂質の摂取量が必要以上に多くなってしまう可能性があります。
また、人の体は、エネルギー源となる糖質や脂質、体を作るタンパク質だけではなく、ビタミンやミネラルも食事から摂る必要があります。
食事をバランスよく食べることで、ビタミンやミネラルの不足も防げます。
バランスのよい食事にするには、ご飯などの主食、メイン料理の主菜、野菜中心の副菜、果物、乳製品の5品をそろえてみましょう。
1回の食事でそろえることが難しい場合は、間食にヨーグルトや果物を食べるなど、1日のトータルで考えてみましょう!
手軽に摂れる食品をストックしておく!
一人暮らしをしていると、幅広い食品をそろえると使いきれなかったり、調理する時間がなかったりします。
そのような場合は、タンパク質を摂取でき、調理の手間がかからない食品をストックしておくと重宝します。
忙しい日や栄養バランスが偏ってしまった日も手軽にタンパク質を補給できます。
手軽に摂れる食品は、以下のようなものがあります。
納豆・豆腐・牛乳・ヨーグルト・チーズ
乳製品は手軽に摂れるタンパク質源ですが、脂質も少なくはない食品です。
乳製品のラインナップは豊富なので、エネルギー摂取量が気になる場合は、低脂肪の製品を選ぶなどの工夫もできるでしょう。
タンパク質以外の栄養成分にも注目して、しっかりとタンパク質を補給していきたいですね!
参考文献:あなたに必要なタンパク質量を食事からしっかり摂取するポイント
1回の食事でタンパク質を摂りすぎたときの対処法は?
ついつい食べすぎてしまい、罪悪感にさいなまれてしまった…
そんな経験がある方も少なくないでしょう。
人は食べ物を食べたあと、消化・吸収・代謝に時間がかかります。
三大栄養素のタンパク質、脂質、糖質は、それぞれ消化・吸収・代謝にかかる時間が異なり、その人の体質や腸内環境によっても変わってきます。
一概に「食べ過ぎは〇日で脂肪になる!」とは言えませんが、食べ過ぎたら2~3日程度で調節すると体に負担なく、調節することができます。
気を付けたいのは、1回の食べ過ぎではなく、食べすぎている状態が習慣化することです。
ちなみに、タンパク質を効率良く摂取するには、量と回数、タイミングがポイントになります。
1日の摂取量は体重(kg)×1,5~2,0gが推奨されています。
体重60kgの人であれば、90g~120gが必要ということになります。
これより少ないと筋肉の修復が間に合わず、多くても体脂肪になってしまいます。
また、1日の必要量を一度に摂取してしまっても、一回に大量のタンパク質を消化・吸収できません。
1日の必要量を数回に分けて、食事ごとに効率よく摂取することが重要です。
参考文献:食べ過ぎた翌日以降の対処法とは?胃もたれや気持ち悪さを楽にする方法をご紹介|脂肪燃焼コラム|コッコアポ|クラシエ
参考文献:たんぱく質の効果的な摂り方 | CramerJapan
まとめ
今日は、タンパク質の摂取量について詳しく見てきました。
必要なタンパク質量は個人によって異なります。
普段の食事でしっかりタンパク質を摂っていると思っていても、実際は不足しがちだった…なんてこともあります。
もちろん、その逆も考えられるので、タンパク質を過剰摂取している場合も…。
タンパク質は、少なすぎても多すぎても体に何かしらの悪影響を及ぼし兼ねません。
まずは、日頃の食事でタンパク質が不足していないか確認してみましょう!
あわせて、タンパク質を豊富に含む食品を把握しておくと良いですよ!
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