生活習慣病の予防に効果的な野菜!どのくらい摂ればいい?

糖尿病などをはじめとする生活習慣病は、運動不足や加齢だけが原因ではありません。

普段の食生活の乱れも大きな要因となり、予防策として野菜を食べることも推奨されています。

野菜に多く含まれているカリウムは血圧を下げる働きがあり、その他にもさまざまな嬉しい効果があると言われています。

今日は、生活習慣病の予防にも役立つ野菜の摂取量や摂取方法について見ていきたいと思います!



目次

生活習慣病の予防に効果的な野菜!

野菜に含まれる栄養素、成分には次のような生活習慣病予防・改善の効果があります。

普段からあまり野菜を食べないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

また、野菜を先に食べることで、糖分の吸収が遅くなり、血糖値が上昇しにくいことも分かっています。

野菜は1種類に偏らず、旬の新鮮なものをバランスよく摂ることが大切です。

また、1日350gのうち、120gは緑黄色野菜を取り入れることが理想的です。

とくに生活習慣病の予防・改善を意識して野菜を選ぶようにすると良いでしょう。

【カリウムを多く含む野菜】
ほうれん草・ニラ・春菊など

【食物繊維を多く含む野菜】
ごぼう・切干大根・西洋かぼちゃなど

【緑黄色野菜】
トマト・赤ピーマン・にんじん・小松菜・ブロッコリー・ピーマンなど

参考文献:【野菜】 毎日の食事にプラス70gで、ヘルシーライフ | 健康サポート | 全国健康保険協会



野菜は1日どのくらい摂ればいい?

1日に必要とされる野菜の量はどれくらいなのでしょうか?

1日に必要な野菜量は350g!

厚生労働省の「健康日本21」では、成人が1日あたりに摂取したい野菜の目標量を350g以上と定めています。

目安として、ほうれん草のお浸しや野菜サラダ、かぼちゃの煮物などの副菜の場合、小鉢1皿に含まれている野菜の量は約70gです。

野菜炒めや野菜カレーなどメインのおかずになるものは2皿分として換算されます。

そのため、目標摂取量を満たすためには、毎食小鉢を1皿以上、1日に小鉢を5皿以上の野菜料理を食べる必要があります。

実際に食べられている量は…?

厚生労働省の「平成29年国民健康・栄養調査結果の概要」によれば、野菜の摂取量の平均は男性が295,4g、女性が281,9g、全体平均が288,2gとなっており、目標値の350gには達していません。

野菜の小鉢1皿分が不足している状況です。

目標値である350gを満たしている人は、成人の男女共に全ての年代の平均で30%程度にとどまっています。

特に、20代の女性が14,6%、30代の女性が17,4%と、若い女性に野菜不足の人が多い傾向です。

20代女性の平均値は218.4gしか摂れておらず、目標値に約130g、小鉢2皿分弱も届かない状況になっています。

野菜を食べなければならない意識は持っていても、実際は必要量を食べられていない人の方が多くなっています。

日本人の食生活が変化し、ファーストフードやインスタント食品、コンビニ弁当など手軽に食べられるものが増えてきました。

一人暮らしで忙しい人は作るのも面倒で外食をするケースも少なくありません。

こうした食事は手軽で便利ですが、どうしても野菜が不足しがちなのです。

参考文献:野菜不足って何が問題なの?1日に必要な野菜の摂取量も徹底解説|健康食品・化粧品のサントリーウエルネスオンライン [公式通販]



野菜を食べるメリットは?

野菜は、ビタミンやミネラル・食物繊維を多く含んでいます。

多くの研究で、野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、ある種のがんにかかる確率が低いという結果が出ています。

野菜に含まれるビタミンは、ごはんなどに含まれる炭水化物が体内でエネルギーに変わる手助けをしてくれます。

摂取した栄養素が体内で利用されるためには、ビタミン類(特にB群)を不足なく摂ることが必要になります。

ミネラルは、身体機能の維持・調整に不可欠で、特に野菜に含まれるカリウムは、余分なナトリウム(食塩)を体外に排泄するのを手助けしてくれ、高血圧の予防にもなります。

しかし腎臓を患っている人はカリウムの排泄が十分にできないことがあり、注意が必要です。

また、特に色の濃い野菜(かぼちゃ、水菜など)には、カルシウムも多く含まれています。

野菜は低脂肪、低エネルギーでありながら“かさ”が多いことから、満腹感を与えてくれます。

反対に“かさ”が多いと食べにくいということがあるかもしれません。

例えば、キャベツなど葉物を食べる時は、熱を加える(電子レンジ・ゆでる)と、“かさ”が小さくなって食べやすくなります。

参考文献:野菜、食べていますか? | e-ヘルスネット(厚生労働省)



野菜を食べないとどうなるの?

野菜を食べない、または食べる量が少ないと、身体にどのような症状が出てくるのでしょうか?

順番に見ていきましょう!

腸内環境が悪化する

野菜が不足すると、腸内環境が悪化してしまいがちです。

人間の大腸内に生息している菌類は500~1000種類以上、100兆個と言われており、善玉菌・悪玉菌・中間菌の3つに分類できます。

中間菌が悪玉菌のほうに傾いて悪玉菌の数が増えると、腸内環境が悪化して下痢や便秘になりがちです。

善玉菌を増やすためには、善玉菌の餌になる食物繊維を摂る必要があります。

そして、食物繊維が不足すると便が硬くなるため、排便が困難になったり切れ痔の原因になったりします。

また、食物繊維と並んで野菜に多く含まれるビタミンも腸の健康を保つ上では欠かせない栄養素です。

ビタミンEは自律神経を整えるため腸の動きを良くする働きがあり、ビタミンBは腸のぜん道運動を活発にする働きがあります。

食物繊維やビタミン類を効果的に摂取できる野菜が不足すると、慢性的な便秘や下痢になりやすくなるため、お腹の健康を保つのには野菜が必要です。

肌が荒れやすくなる

野菜に多く含まれているビタミンや食物繊維は、人の体内で作ることができません。

そのため、野菜を食べて摂取する必要があるのですが、ビタミンや食物繊維が不足すると腸内環境が悪くなってしまいます。

便秘になると、老廃物が排出されず蓄積するため、肌の正常なターンオーバーを妨げてしまうのです。

さらに、栄養素が腸内で吸収されにくくなるため、肌にも栄養が行き届かなくなってしまいます。

肌の健康を保つと言われているビタミンCやA、B群が不足すると肌荒れを起こします。

ビタミンは、コラーゲンの生成や皮膚の健康を維持するためにも欠かせないため、不足すると肌荒れが起こりやすくなります。

肌荒れはニキビや湿疹など顔に出るだけではなく、頭皮のかゆみやフケなどの原因にもなるのです。

疲れやすくなる

野菜から摂取できるビタミンは、代謝を良くしたり、エネルギーの生成をしたりするのに欠かすことができません。

ビタミンが不足してしまうと、エネルギーの原料である糖質や脂質、タンパク質が体内にあったとしても十分に機能させることが難しくなります。

そのため、身体を動かすのにエネルギーが不足している状態になり、疲れやすくなってしまうのです。

ビタミンBは疲労回復にも効果があると言われているため、不足すると疲れがなかなかとれない、身体がだるいなどの症状が出ることもあります。

エネルギーを生み出す手助けをするのはビタミンB以外にパントテン酸もありますが、これもブロッコリーやモロヘイヤなどの野菜に含まれている成分です。

なんとなく身体が不調だと感じたときは、野菜不足が原因の可能性もあります。

免疫力の低下を招く

人間の体内では、酸素を利用してエネルギーを作る際に活性酸素が生み出されます。

活性酸素は年齢を重ねるとともに増えてきますが、他にも紫外線や喫煙、ストレスなど多くの原因で増えてしまいがちです。

活性酸素は細胞を傷つけるため、老化やがんをはじめとしたさまざまな生活習慣病を引き起こす原因となってしまいます。

野菜に含まれるビタミンには抗酸化作用があるため、体内の活性酸素を除去して細胞が酸化するのを防ぎ、免疫力を高めてくれるのです。

また、ビタミンは血行を良くして身体の不調を修復する働きがあります。

さらに、野菜に含まれているミネラルも、免疫細胞を作るために欠かすことができません。

そのため、野菜が不足してしまうと免疫力が低下して風邪などを引きやすくなり、治りにくくなってしまいます。



野菜を多く食べるコツは?

最後に、野菜が好きな方もそうではない方も、今よりも多く野菜を食べるためのコツをご紹介していきたいと思います!

気になる方は早速今日から試してみてはいかがでしょうか?

1日3食、少しずつ小鉢などで摂りましょう!

350gの野菜を1食で摂ることは難しいものです。

主菜で野菜の多いものを選びながら、毎食、小鉢1皿分のサラダやお浸し、煮物などを加えて、野菜不足を補いましょう。

作り置きを活用しましょう!

きんぴらごぼう、切干大根、ほうれん草のお浸しなど、作り置きして冷凍保存しておけば、手間をかけずに1品追加することができます。

“かさ”を減らす!

野菜は煮る、炒める、焼くなど加熱調理したり、千切り、すりおろしなどをすると、“かさ”が減り多く摂ることができます。

簡単に調理できる野菜を活用しましょう!

洗うだけで食べられるプチトマトや、レンジでチンして食べられるブロッコリーやカリフラワーなど、調理の手間を省ける野菜を活用しましょう。

最近は、サラダ用や煮物用などに複数種類の生野菜をカットしたものも売られており、手間をかけずに野菜料理をつくることができます。

また、冷凍のカット野菜を冷凍庫に常備しておくのもGOOD!

野菜ジュースで摂る!

ジュースでも野菜の栄養をとることができます。

ただし、市販のジュースには塩分や糖分が多く含まれているものもあるので、できるだけ塩分や糖分が無添加のものを選ぶようにしましょう!



まとめ

1日に350gの野菜を食べている方はどのくらいいるでしょうか?

毎日忙しく、3食しっかりご飯を食べているという方も少ない中で、野菜不足の深刻さはもはや他人事ではありません。

野菜不足=生活習慣病のリスクがあるということを、初めて知ったという方も多いかもしれません。

とはいえ、野菜嫌いの方がいきなり多くの野菜を食べることは難しいですよね。

そういう方は、まずは1品野菜料理を増やしてみるでもOKです!

今日よりも明日、明日よりも明後日と、野菜を多く食べられる日が増えていければ良いですね!



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