生活習慣病と喫煙の関係性と病気を予防する方法!禁煙のメリットは?

よくタバコは身体に悪いなどと耳にする機会がありますが、実際に喫煙は生活習慣病とどのような関係があるのでしょうか?

禁煙をはじめ、さまざま予防法についてや喫煙時のデメリットなども合わせて見ていきましょう!

きっと皆さんや身近の人が“喫煙者”という方も多いと思いますので、ぜひ今日の記事を参考に最後まで目を通してみてくださいね!

それでは、早速チェックしていきましょう!



生活習慣病と喫煙の関係性について

まずは、喫煙と生活習慣病との関係性について見ていきましょう!

喫煙と心血管病変

喫煙が心血管病変のリスクファクターであることは、古くから知られている事実です。

たばこを吸うと、まずニコチン自体が強力な血管収縮作用を持つため、血管内腔が狭窄し血圧が上昇、血流は低下します。

また、煙に含まれる一酸化炭素は酸素の200~250倍、ヘモグロビンと結合しやすいため、全身組織の酸素欠乏状態を促し、二次性の多血症を来たすことにより血液粘調度が増大し、(いわゆるドロドロ血)血栓ができやすい状態になります。

活性酸素も血管内皮を障害するため、さらに血栓や塞栓症の発症を促します。

一方、活性酸素により酸化変性を来たした脂質は、プラーク形成を促進して動脈硬化も進行してしまいます。

実際、喫煙による心筋梗塞死に対する相対リスクは、血圧やコレステロール値をも上回るのです。

脳梗塞死に対しても同様です。

脳梗塞まで至らなくても、微小循環が障害されることで認知症が増加することも知られています。

さらに受動喫煙の被害から、喫煙者と同居しているだけで、認知症の発症率は(非喫煙者と同居している人に比べ)、約30%増加するとのデータもあります。

喫煙と糖尿病・脂質異常症

喫煙者ではインスリン抵抗性が認められ、血糖値が下がりにくいという事実は、以前から知られていましたが、その機序はこれまで未解明な部分が多くありました。

しかし最近になって、肥満・内臓脂肪とメタボリックシンドロームの研究が進むにつれ、喫煙と糖尿病の因果関係が徐々に解明されつつあります。

メタボリックシンドローム研究で注目されているアディポネクチンは、脂肪細胞から分泌されている善玉ホルモンの一種で、インスリンの作用を助けて血糖値を下げる役割を果たしています。

内臓脂肪が増加して脂肪細胞が肥大化すると、アディポネクチンの分泌は減少してしまうので、いわゆる“メタボ”の状態は要注意とされているのです。

喫煙とメタボリックシンドローム

これまで述べたきたように喫煙・血圧・基礎代謝・脂質代謝の全てに悪影響を及ぼすことから、喫煙は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の合併を増加させることも明らかになっています。

また、受動喫煙により周囲の非喫煙者もメタボリックシンドロームの合併率を上昇させます。

すなわち、“メタボ対策”としても禁煙は欠かせないのです。

参考文献:3. 喫煙と生活習慣病との関わり合い | 全国生活習慣病予防月間 2012 | 日本生活習慣病予防協会



生活習慣病を予防する方法は?

喫煙期間が長いほど、また喫煙本数が多いほど、たばこの害による病気のリスクは高くなることが分かっています。

しかし、禁煙を実行すれば、病気のリスクは確実に減っていきます。

禁煙して5年後には脳卒中のリスクが非喫煙者のレベルまで下がり、10年後には肺がんで死亡するリスクが半減します。

さらに禁煙15年後には、虚血性心疾患のリスクが非喫煙者のレベルまで下がると言われています。

今からでも決して遅くはありません!

喫煙習慣のある人は、自分のためであることはもちろん、家族や周囲の人を巻き込まないためにも禁煙を実行することが予防の一つです。

とくに血圧、中性脂肪やLDL-コレステロールなどの脂質、血糖値などの健診結果が基準よりも高い場合は、直ちに禁煙を実行することをオススメします。

※禁煙を成功させるコツとは?

禁煙を始める前に、まずは喫煙による健康への影響を正しく理解し、禁煙するとどのようなメリットがあるのかを考えてみましょう。

禁煙を実行するときは「1本も吸わない」ことが大切です。

節煙などといって本数を減らしたり、軽いたばこに変えるのはNG!

これでは禁煙の効果はありません。

ただし、「一生吸わないでいよう」などと思うと心の負担が重くなるので、「今日1日は1本も吸わない」という気持ちで禁煙をスタートし、吸わない日を少しずつ増やしていくと良いでしょう。

参考文献:【たばこ】 たばこは周りの人の健康にも影響をおよぼします | 健康サポート | 全国健康保険協会



喫煙をすることのデメリットは?

喫煙者本人の健康影響

喫煙はがんをはじめ、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や結核などの呼吸器疾患、2型糖尿病、歯周病など、多くの病気と関係しており、予防できる最大の死亡原因であることが分かります。

また、喫煙を始める年齢が若いほど、がんや循環器疾患のリスクを高めるだけではなく、総死亡率が高くなることも分かっています。

女性の妊娠・出産などへの影響

女性の喫煙による妊娠出産への影響として、早産、低出生体重・胎児発育遅延などが挙げられます。

また生殖能力低下、子宮外妊娠、常位胎盤早期剝離、前置胎盤を引き起こす可能性が指摘されています。

さらに、妊娠中においては、妊婦本人の喫煙(能動喫煙)だけでなく受動喫煙であっても、乳幼児突然死症候群の要因となることが確実視されています。

喫煙によるその他の健康影響

喫煙によって、病気による休業、手術の際の創傷部位の治療の遅れや術後の呼吸器合併症の増加、骨粗鬆症や大腿部頚部骨折の増加、消化性潰瘍、歯周病、白内障や失明の原因となる加齢性黄斑変性を引き起こすもとにもなります。

受動喫煙-他人の喫煙の影響

喫煙者が吸っている煙だけではなくたばこから立ち昇る煙や喫煙者が吐き出す煙にも、ニコチンやタールはもちろん多くの有害物質が含まれています。

本人は喫煙しなくても身のまわりのたばこの煙を吸わされてしまうことを「受動喫煙」といいます。

受動喫煙との関連が「確実」とされた肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群の4疾患について、超過死亡数を推定した結果によると、わが国では年間約1万5千人が受動喫煙で死亡しており健康影響は深刻です。

参考文献:喫煙による健康影響 | Tobaccos | e-ヘルスネット(厚生労働省)



喫煙が原因となる主な病気は?

喫煙による煙には、約4,000種類以上の化学物質が含まれ、人体に有害なものは250種類を超え、発がん性の疑われるものは70種類を越えると言われています。

これらにより喫煙、および受動喫煙が、さまざまな病気の原因になっていることが、多くの研究から明らかになっています。

喫煙と関係がある病気というと肺がんがよく知られていますが、それは氷山の一角に過ぎません。

肺がんのほかに、喫煙により発病する確率が高くなったり、発病後に重症化しやすくなる病気として、歯周病、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫や慢性気管支炎)、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、咽頭がん、口腔がん、膀胱がん、食道がん、胃がん、膵臓がんなどがあり、他にも関連性が示されている病気は枚挙にいとまがありません。

日本人における予防可能な死亡の主要な危険因子は喫煙で、年間12~13万人の人が喫煙により死亡しているとされています。

また、受動喫煙による死亡者数は、年間約15,000人(肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群)と推計されています。

このように、喫煙は本人だけでなく、家族や周囲の人にまで大きな害を及ぼす可能性があることを知っておきましょう。

参考文献:喫煙 | 生活習慣病とその予防 | 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会



禁煙するとどんなメリットがある?

長年たばこを吸っていたとしても、何歳であっても禁煙するのに遅すぎることはありません。

「30歳までに禁煙すれば、寿命が約10年長くなる」

「50歳では寿命が6年長くなる」

「60歳では寿命が3年長くなる」と言われています。

禁煙による健康への効果は速やかに現れ、大きく、禁煙すると24時間で心臓発作のリスクの低下がみられます。

禁煙後1か月たつと、せきや喘鳴などの呼吸器症状が改善します。

さらに禁煙後1年たつと肺機能が改善し、禁煙2~4年後には虚血性心疾患や脳梗塞のリスクが約3分の1減少します。

禁煙期間が長くなるほどがんにかかるリスクも低下し、5年後には肺がんのリスクが低下します。

禁煙して10~15年経てば、様々な病気にかかる危険性が、非喫煙者のレベルまで近づくことが分かっています。



まとめ

普段何気なく吸っている1本のたばこは、実は多くの健康影響を及ぼす可能性があります。

非喫煙者と比べても、病気になるリスクが圧倒的に高くなるのも事実です。

もちろん、今この瞬間にたばこをやめることは難しいと思いますが、まずは「1日1本も吸わない」ことを目標にしてみましょう!

毎日コツコツと継続して、近い将来に禁煙を目指していけるといいですね!



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宮原 恭樹|Kyoju Miyahara

宮原恭樹(Kyoju Miyahara)

 

・日本スポーツ協会公認 アスレティックトレーナー
・日本トレーニング指導者協会認定 トレーニング指導者
・トリガーポイント マスタートレーナー

 

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