老若男女関係なく誰にでもなり得る生活習慣病。
予防ができるのなら早いうちが良いのでは?と思う人も少なくないはず。
まだ、喫煙や飲酒を日常生活で習慣化していない高校生のうちからできる具体的な予防法とは?
また、どのような食生活を心がけていけば良いのか、どんな病気にも「まだ若いから大丈夫!」ということはありません。
現在の自身の食生活も見直し、今できる予防をしっかりとしていきましょう!
高校生から生活習慣病を予防したほうがいい?
生活習慣病で病院を受診する人は、年齢が高くなるにしたがって多くなります。
10代の高校生の皆さんは、生活習慣病を身近に考えにくいかもしれません。
適切な生活習慣を続けていても生活習慣病になることはありますが、若いうちから気をつけていることで予防に役立ちます。
健康によくない食生活や運動不足などの不適切な生活習慣は、思春期の頃から始まり、年月が経つとともに改善が難しくなり、より強い習慣となってしまいます。
今からできること、生涯を通して続けること、しないこと
肥満症、高血圧、また2型糖尿病などの生活習慣病は、環境や生まれつきの遺伝的な要素も関係していますが、食習慣、運動習慣、睡眠、ストレス、休養のとり方などの生活習慣が大きく関わっています。
生活習慣について、30年以上前に米国のブレスロー教授が行った研究結果から、「ブレスローの7つの健康習慣」として広く世界に知られているものがあります。
【ブレスローの7つの健康習慣(1980)】
①喫煙をしない
②定期的に運動をする
③飲酒は適量を守るか、しない
④1日7~8時間の睡眠をとる
⑤適正体重を維持する
⑥朝食を食べる
⑦間食をしない
これらの「ブレスローの7つの健康習慣」を守るメリットとして、45歳の人の平均寿命の差が挙げられます。
このうちの6~7つを実施した場合と実施が3つ以下の場合、男性で11年、女性で7年の差があると言われています。
また、生活習慣病による死亡率の差にも違いが出てきます。
がん、心臓病、脳血管疾患による死亡率が少ないことも立証されています。
なかでも、喫煙、飲酒、運動の有無が強く影響すると言われているのです。
人生80年、「健康」と「生きがい」
女性の平均寿命は87,14年、男性の平均寿命は80,98年となっています。(平成28年、厚生労働省)
このような長寿社会の中で、「生きがい」をもって生きることと、「健康」で生きることが大切であるとの認識が大勢を占めてします。
高校生という枠に限らず、今できる予防を徹底していくことで、生活習慣病の予防に繋げていきたいですね!
参考文献:健康啓発教材2021-高校生用07-09.indd
生活習慣病を予防する方法!
生活習慣病にならないためには、飲酒や喫煙、ストレスなどに注意することはもちろんですが、食生活などは、育った環境に大きく左右されるものでもあります。
先天的に高血圧や糖尿病を発症しやすい遺伝子を持つ方もいますが、例えば「早食い」の習慣や「濃い味付け」「偏食」などは、親から子へと受け継がれてしまう後天的な「遺伝」とも言えます。
糖尿病は一度発症すれば生涯付き合っていかなければならないものです。
また脳梗塞や心筋梗塞など、発症が即、死亡リスクへとつながる病気は、高血圧、肥満など「大したことはない」と思われる症状が入口となります。
生活習慣の改善で確実にそのリスクは減るものなので、できるだけ若いうちから予防の意識を持つことが大切です。
ここからは、高校生からでもできる予防法について順番に見ていきましょう!
バランスの良い食事
好きな物ばかり食べない、深夜にたくさん食べない、3食きちんと食べることがまずは大事です。
また、炭水化物をまったく摂らないダイエットも流行っていますが、主食はしっかり食べることが大切です。
動物性脂肪の多い食事が続きがちな人は特に注意が必要です。
どのような食生活を心がければ良いかについては、次で詳しくご紹介してきますので、気になる方はそちらを参考にしてくださいね!
十分な睡眠
残業や接待などで帰宅時間が遅い人は、睡眠時間が短くなりがちです。
十分な睡眠時間をとったつもりでもうまく疲労回復ができていないことも…。
また、ストレスを抱え込まないことも良い睡眠のためには非常に重要です。
生活習慣病の予防と睡眠の関係性!睡眠不足だと病気になりやすい?
適度な運動
運動により筋肉細胞にブドウ糖を取り込むことで血糖値が下がりやすくなります。
糖尿病予防、肥満予防にもつながり、動脈硬化の発症リスクや、心疾患などの死亡リスクも低下します。
ウォーキングなど簡単な運動でも良いので習慣として続けていきましょう!
生活習慣病予防にオススメのウォーキングのやり方や歩数の目安!
定期的な健診
30~40代はもちろん、若い年代から年に1度の健診は必ず受診しましょう。
自分の体が昨年からどう変化したのかを読み取ることで、将来の発症リスクを先読みでき、早めに効果的な対策をとることができます。
医師のアドバイスにも積極的に耳を傾けましょう。
生活習慣病予防のための検診は何歳から?35歳から項目が増える?
参考文献:生活習慣病の基礎知識。年齢に関わらず予防やチェックが必要|ドクターズ・ファイル
どのような食事をしていけばいいの?
ここでは生活習慣病予防のための食生活について詳しく見ていきましょう!
1日3食規則正しく食べましょう!
1日2食では1回に食べる量が多くなりすぎ、糖尿病になりやすくなります。
また、間食が増えてカロリーオーバーにつながることも考えられます。
適正なカロリーの食事を摂りましょう!
1日にとるカロリーを適正にすることが大切です。
カロリーをとりすぎると生活習慣病になりやすくなります。
肥っている人には特に効果的と言われています。
血圧が高めの人も、痩せるだけで下がる場合もあります。
1日に必要なカロリーは年齢・性別・体格・身体活動量などによって異なりますが、標準体重から計算する方法がよく用いられています。
※成人が1日に必要なカロリー=標準体重×25~30kcal
標準体重が60kgの人なら、1500~1800kcalとなります。
肥りすぎている人や活動量が少ない人、高齢者は少ないほうのカロリーを、活動量が多い人や若年者は多いほうのカロリーを基準にします。
標準体重はいろいろな計算方法がありますが、最近よく用いられているのは体格指数(BMI),をもとにした計算方法です。
※標準体重=身長(m)×身長(m)×22
炒め物や揚げ物、マヨネーズ・ドレッシング・バター・クリームなどを使った料理の品数を抑えるとカロリーの摂り過ぎ防止に効果的です。
塩分は控えめにしましょう!
日本人の1日の平均塩分摂取量は、11~12gですが、1日6g未満が望ましいと言われています。
塩分はすべて「塩」からとっているわけではなく、半分は加工食品に含まれる塩分です。
みそ、しょうゆ、ソースといった調味料にも含まれています。
加工食品を控えめにして、汁物は1日1杯、漬物は1日1回にしましょう。
洋食は、和食より塩分が低めなので、脂肪をとりすぎない程度に取り入れると良いでしょう。
コレステロールの多い食品は控えましょう!
コレステロールは動脈硬化を進め、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因になります。
油を使った料理はなるべく控え、脂肪のとりすぎを防ぎましょう。
脂肪には、肉に多い飽和脂肪酸と、魚に多い不飽和脂肪酸があります。
飽和脂肪酸はコレステロールを増やし、不飽和脂肪酸はコレステロールを減らします。
肉料理より魚料理がオススメです。
食物繊維をよくとりましょう!
食物繊維は胆汁酸とくっついて排出されるため、胆汁酸のもとになるコレステロールも減らします。
野菜やきのこ、海藻、こんにゃくを上手に利用するとGOOD!
野菜は毎食とりましょう!
野菜は食物繊維、ビタミン、ミネラルの供給源になります。
緑黄色野菜はカロリーが低いため、カロリーのとりすぎも防げます。
アルコールやジュースはほどほどにしましょう!
アルコールや菓子、ジュースをとりすぎると中性脂肪を高めます。
果物はビタミンの補給のためにも、1日1個はとった方がいいですが、とりすぎると中性脂肪を高めてしまうので注意が必要です。
参考文献:生活習慣病予防のための食生活 – クリニックコラム
生活習慣病とはどんな病気?
生活習慣病とは、「健康的と言えない生活習慣」が関係している病気のことです。
逆に言えば、生活習慣次第で発病を防ぐことができる病気という言い方もできます。
また、発病した後の経過は、生活習慣によって大きく左右されることが少なくありません。
もう少し詳しく見ていきましょう!
病気の原因として分かりやすいのは、細菌やウイルスなどの「病原体」や「有害物質」などです。
また、何かの病気になりやすい体質が先祖から引き継がれる「遺伝的な要素」も、病気の発症や進行に影響すると言われています。
そして、もう一つ、食習慣・運動習慣・休養のとり方・嗜好(飲酒や喫煙)などの「生活習慣」も糖尿病や高血圧、さらにはがん・脳卒中・心臓病など、多くの疾病の発症や進行に深く関わっていることが明らかになっています。
生活習慣病とは、これら3つの要素のうち、生活習慣に関わる要素が強い病気をまとめて言い表した総称です。
参考文献:生活習慣病とは | 生活習慣病とその予防 | 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会
まとめ
“まだ10代だから生活習慣病は他人事”と感じてしまう方もいるかもしれません。
喫煙も飲酒もまだできない高校生は特に気をつけたい内容ばかりでしたね。
少しの体重増加で無理なダイエットや朝食を食べない習慣がある方は、今日ご紹介した予防法や食生活などを参考にしてみてくださいね!
また、食事はもちろんですが適度な運動を心がけることで、ぐんと生活習慣病を予防することができますよ!
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