糖尿病で運動療法を止めたほうがいい時の禁忌!やってもいい場合は?

糖尿病の患者さんに運動療法が推奨されているのは有名ですが、実はあまり知られていない禁忌事項がいくつかあるんです!

「糖尿病」と診断された誰しもが運動OK!というわけではないその理由とは…?

また、どんな時なら運動をやっても大丈夫なのか、糖尿病で治療中の方や予防・改善のために対策をしている方は、ぜひ、チェックしてみてくださいね!

それでは、早速見ていきましょう!



糖尿病で運動療法を止めたほうがいい時の禁忌は?

運動療法は、正しく行えば糖尿病改善のための有効な治療法ですが、誤って行うと十分な効果が得られないだけでなく、症状を悪化させることや、ひざや腰を痛めるなど健康を害する恐れがあると言われています。

そのため、運動をして良いかどうかや運動の強度を決めるためには、メディカルチェックを行います。

メディカルチェックによって、患者さんの症状や合併症、併発症などをしっかり把握し、運動に伴うリスクを避けるよう配慮をした上で、個々の患者さんに合った運動プログラムを積極的に指導することが大切です。

運動によって生じるリスクを避けるためには、下記のような患者さんでは、各専門医の意見を求め、症状に応じて日常生活行動のみを許可するなどの配慮が求められています。

◎運動療法を禁止したほうがよい場合(運動療法の絶対的禁忌)

・眼底出血あるいは出血の可能性の高い増殖網膜症・増殖前網膜症
・レーザー光凝固後3~6カ月以内の網膜症
・第3B期(顕性腎症後期)以降の腎症(血清クレアチニン:男性2,5mg/dL以上、女性2,0mg/dL以上)
・心筋梗塞など重篤な心血管系障害がある場合
・高度の糖尿病自律神経障害がある場合
・1型糖尿病でケトーシスがある場合
・代謝コントロールが極端に悪い場合(空腹時血糖値≧250mg/dLまたは尿ケトン体中等度以上陽性)
・急性感染症を発症している場合

◎運動を制限したほうがよい場合

・単純網膜症がある場合
・重症の高血圧がある場合(収縮期血圧180mmHg以上、または、拡張期血圧110mmHg以上)
・骨、関節疾患など整形外科的問題がある場合(特に肥満者や高齢者)
・糖尿病壊疽がある場合
※これらの患者さんでは、必要に応じて各専門医の意見を求め、症状に応じた運動処方を行います。

参考文献:運動をやっていい人、いけない人/メディカルチェック(前半)-糖尿病NET-運動療法情報ファイル

糖尿病で運動をやってもいい場合は?

合併症があっても運動が禁忌でなければ、運動による様々な良い影響があります。

糖尿病の三大合併症といわれる糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害には、それぞれ病気に応じた運動の適否が決められています。

また、1型の患者さんでは、2型の患者さんとは異なり、運動によって直接的に血糖コントロールが改善されるわけではありませんが、運動によってインスリンの働きが良くなり間接的に血糖コントロールへ好影響を与えることが分かっています。

また、体力の向上、ストレス解消などQOLの向上の点で、運動による良い効果を得ることもできます。

したがって、1型糖尿病患者さんも合併症の問題がない限りは、運動療法を積極的に実施することが勧められています。

実施時には、エネルギー消費の増加による低血糖に十分な注意が必要です。

低血糖を避けるためにはSMBGを行い、その人なりの血糖の変化を把握するよう指導するとともに、インスリン量の調整、補食の摂取、運動量などの管理をしっかり行いましょう。

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糖尿病のための運動療法と食事療法のやり方やポイント!

糖尿病に対する運動の効果は何がある?運動の種類や量、タイミングは?



運動をするときの注意点!

次に糖尿病の方が運動をする時の注意点について見ていきましょう。

・運動療法は医師の指示に従って続けましょう!
・こまめな水分補給を忘れずに!
・低血糖の予防をしっかりする!
・無理をしない!

食事療法と運動療法は2つをセットで考える!

運動をすることによって食欲が増し、たくさん食べてしまうと糖尿病の状態を悪化させることになりかねません。

また、食事療法をきちんと行わなければ運動療法の効果は不十分となります。

運動療法は食事療法を補助し、2つを合わせることで治療効果が高まります。

低血糖を予防する!

インスリンやSU薬を用いている人は低血糖に注意が必要です。

運動をする時は低血糖の症状に注意し、ブドウ糖や軽食を準備しておきましょう。

1型糖尿病の方では、血糖値をこまめに測り、必要に応じて補食をします。

適切な靴を準備する!

糖尿病の方は、足を大事にすることが特に大切です。

運動の時は、足に合った履き慣れた靴を使いましょう。

運動の前と後で、しっかり足の観察をすることも大切です。

運動をする前には準備体操をする!

中等度(ややきついと感じるくらい)以上の運動を行う際には、準備運動・整理運動をしっかりしましょう。

また、夏の炎天下や冬の寒冷時に無理をして運動をすることは避けましょう。

屋外で運動ができない場合は、屋内でできる運動を行うようにし、運動中はこまめに水分補給をし、脱水にならないよう気を付けましょう。

運動を禁止する、制限した方がよい状況

糖尿病の方は、運動を始める前に主治医に相談が必須です。

合併症をお持ちの方や、血糖のコントロールが不十分な方では、運動を控えた方がよい場合があります。

糖尿病の予防・改善に効果的な運動「スクワット」のやり方やポイント!

糖尿病を改善するための運動時間は?食前食後どっちがオススメ?

参考文献:3-6.運動療法の進め方と注意点 | 糖尿病3分間ラーニング | 糖尿病ネットワーク -生活エンジョイ物語

参考文献:糖尿病情報センター「糖尿病の運動のはなし」

糖尿病の予防・改善にオススメの運動は?

しっかりと呼吸をしながらなるべく全身を使う運動がオススメです!

歩行
ジョギング
なわとび
水中歩行
水泳
サイクリング
エアロビクスなど

歩行はいつでも、どこでも、ひとりでも簡単に比較的安全にできる運動として、運動療法を始める際に理想的なものです。

また、運動を行うにあたっては、自分の行える最大強度の4~6割程度の強さの運動を目標としますが、その際、脈拍数が運動強度を測る目安になります。

運動中の脈拍が1分間に100~(180マイナス年齢)の範囲になるような運動が最大強度の4~6割の強さの運動にほぼ相当すると言われています。

運動開始後5分くらいで脈拍を測り、この範囲を超えるようであれば運動の強度を調節するようにしましょう。

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糖尿病の人が運動をした時の効果!

糖尿病に対する運動療法は、運動により使われた筋が糖や遊離脂肪酸の利用を促進させるため、血糖コントロールの改善・インスリン感受性の増加・脂質代謝の改善、血圧低下、心肺機能の改善が得られ、糖尿病を改善します。

さらに、有酸素運動により、内臓の脂肪細胞が小さくなることで肥満を改善し、脂肪組織から産生されるアディポサイトカインなどのインスリンの働きを妨害する物質の分泌が少なくなります。

このため筋肉や肝臓の糖の処理能力が改善し、血糖値が安定します。

またレジスタンス運動は、筋量の増加が糖の処理能力を改善させるため、血糖コントロールに有効だと言われています。

運動の効果をより詳しく見ていくと以下のようなものがあります。

◎運動によって、血液中のブドウ糖が筋肉に取り込まれやすくなり、ブドウ糖、脂肪酸の利用が促進され、血糖値が下がる

◎2型糖尿病では、低下しているインスリンの働きが高まる

◎エネルギーの摂取と消費のバランスが改善し、減量効果・肥満防止になる

◎高血圧や脂質異常症(高脂血症)の改善に役立つ

◎加齢や運動不足による筋肉の衰えや萎縮、さらには骨粗鬆症の予防に有効

◎関節や骨が丈夫になり、末梢血管が強くなり心臓や肺の機能が高まる

◎筋力や体力の増強に役立つ

◎爽快感、活動気分が向上し、ストレス解消効果がある

これらの嬉しい効果は全て運動から表れるものとされています。

無理をしない範囲で自分ができる運動を継続していくことが重要なポイントです!

参考文献:糖尿病を改善するための運動 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

参考文献:糖運動療法の基本的な考え方|運動療法について|食事・運動療法|糖尿病情報サイトDMTOWN



まとめ

糖尿病患者さんには運動療法や食事療法が一般的には推奨されていますが、全ての人がこれらに該当するわけではありません。

ご紹介してきたように禁忌事項が様々あり、特に糖尿病患者さんは合併症の関係から医師との相談が不可欠です。

自分はどんな運動ならできるのか、また、継続できそうかを考えて、体調の変化を一番に優先し、無理のない範囲で運動を始めてみましょう!

宮原恭樹のプロフィール

宮原恭樹(Kyoju Miyahara)

大阪府出身 1994年生まれ

・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
・日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者(JATI-ATI)
・赤十字救急法救急員
・トリガーポイントマスタートレーナー

【 コメント 】

初めてパーソナルジムへ行く時は、どんなトレーナーが指導をしているのか不安になりますよね。

私の1番のこだわりは、カウンセリングを行いながらお客様の緊張をほどいて、ストレスなく楽しんでトレーニングを受けていただくことを常に心がけていることです。

なりたい女性像や今抱えているお悩みなど、カウンセリングの時間をしっかり取ってたくさん会話をさせていただくので、不安を解消して今必要なトレーニングをご提案することができます!

まずはカウンセリングだけでもいいので、どんな小さな悩みでもお気軽にお話ください!

※HPプロフィールより引用

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宮原 恭樹|Kyoju Miyahara

宮原恭樹(Kyoju Miyahara)

 

・日本スポーツ協会公認 アスレティックトレーナー
・日本トレーニング指導者協会認定 トレーニング指導者
・トリガーポイント マスタートレーナー

 

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