インスリンの作用不足により高血糖が慢性的に続く「糖尿病」。
治療には運動療法が推奨されていますが、どんな運動をどのくらい行えば効果が現れるのでしょうか?
人それぞれ個人差もあり、効果の現れ方も異なりますが、今以上悪化しないためにも、また、糖尿病の予防や改善としてオススメの運動の種類やタイミングをご紹介していきたいと思います。
私たち人間の体はいつ何が起きるか分かりません。
正しい知識を身につけ、その改善策を知っておきましょう!
それでは、早速見ていきましょう!
糖尿病に対する運動の効果
糖尿病に対する運動療法は、運動により使われた筋が糖や遊離脂肪酸の利用を促進させるため、血糖コントロールの改善・インスリン感受性の増加・脂質代謝の改善、血圧低下、心肺機能の改善が得られ、糖尿病を改善します。
さらに、有酸素運動により、内臓の脂肪細胞が小さくなることで肥満を改善し、脂肪組織から産生されるアディポサイトカインなどのインスリンの働きを妨害する物質の分泌が少なくなります。
このため筋肉や肝臓の糖の処理能力が改善し、血糖値が安定します。
またレジスタンス運動は、筋量の増加が糖の処理能力を改善させるため、血糖コントロールに有効だと言われています。
運動の効果をより詳しく見ていくと以下のようなものがあります。
◎運動によって、血液中のブドウ糖が筋肉に取り込まれやすくなり、ブドウ糖、脂肪酸の利用が促進され、血糖値が下がる
◎2型糖尿病では、低下しているインスリンの働きが高まる
◎エネルギーの摂取と消費のバランスが改善し、減量効果・肥満防止になる
◎高血圧や脂質異常症(高脂血症)の改善に役立つ
◎加齢や運動不足による筋肉の衰えや萎縮、さらには骨粗鬆症の予防に有効
◎関節や骨が丈夫になり、末梢血管が強くなり心臓や肺の機能が高まる
◎筋力や体力の増強に役立つ
◎爽快感、活動気分が向上し、ストレス解消効果がある
これらの嬉しい効果は全て運動から表れるものとされています。
では、実際に糖尿病を改善すると言われている有酸素運動と筋トレについて次で詳しく見ていきましょう!
参考文献:糖尿病を改善するための運動 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
参考文献:糖運動療法の基本的な考え方|運動療法について|食事・運動療法|糖尿病情報サイトDMTOWN
糖尿病の予防・改善に効果的な運動のやり方!どのくらいしたらいいの?
糖尿病に効果的な運動の種類
有酸素運動により筋肉の血流が増えると、ブドウ糖がどんどん細胞の中に取り込まれ、インスリンの効果が高まり、血糖値は低下します。
また、筋力トレーニングによって筋肉が増えることでも、インスリンの効果が高まり、血糖値は下がりやすくなります。(これをインスリン抵抗性の改善といいます)
ただし、運動をやめてしまうとその効果は3日で失われていきます。
一方、強度の高い激しい運動は、体が動くためにエネルギーを補充しようとして、アドレナリンなどのカテコラミンやグルカゴンという血糖値を上げるホルモンの分泌を増やし、一時的に血糖値が高くなることがあります。
また、血圧を上げてしまうような高い強度の筋力トレーニングは、心臓や腎臓に負担がかかり、かえって害になってしまいます。
やみくもにたくさん運動をすればよいというわけではありませんので、ここは注意が必要です。
それでは、実際にどのような運動が効果的なのでしょうか?
筋トレ
足や腰、背中の大きな筋肉を中心に、全身の筋肉を使って週2~3回の筋力トレーニング(1セット10回程度)を行うことがオススメです!
しかし、糖尿病の状態が悪い方やご高齢の方が、血圧が上がるような強度の高い筋力トレーニングを行うと、かえって血管や心臓の負担になることがあるので注意が必要です。
どのくらいの強度が適切か、運動を始める前に主治医と相談しましょう。
ふくらはぎ筋力トレーニングの例
壁などに手をついて、両足で立った状態でかかとを上げて、ゆっくりかかとを戻します。
※1日の回数の目安は10~20回(出来る範囲で)×2~3セット
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有酸素運動
有酸素運動とは、ウォーキングやジョギング、水泳などの全身運動です。
歩行では、1回15から30分間、1日2回。
日常生活での歩行と合わせると、歩行での運動療法は1日1万歩程度が目安です。
ウォーキングの例
背筋を伸ばして、やや大股で、ひざを伸ばしてかかとから着地しましょう。
軽く腕を振って、少し汗ばむ程度がGOOD!
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運動の量はどのくらいやればいいの?
では、実際に運動はどのくらい行えば良いのでしょうか?
歩行運動なら、1日1万歩、消費エネルギーに換算するとほぼ160~240kcalの消費が望ましいとされています。
歩行運動の目安は1回につき15~30分間、1日2回行います。
毎日行わなくてもOKです!
1週間に少なくとも3日以上の頻度での歩行運動が理想的です。
歩行運動は、いつでも、どこでも、ひとりでもできます。
体力や年齢に合わせて歩き方やスピードを変えることができます。
これなら、まとまった運動時間がなかなかとれない人でも、歩行をともなう通勤・通学・買い物などで実践できます。
しかし、歩行運動をはじめ間違ったやり方で運動を行うと、糖尿病を悪化させたり、心筋梗塞の発症など思いがけない事故を引き起こすこともあります。
また、中には運動そのものを禁止あるいは制限した方がよい方もいるので、必ず主治医との相談・アドバイスを受けるようにしましょう。
参考文献:糖運動療法の基本的な考え方|運動療法について|食事・運動療法|糖尿病情報サイトDMTOWN
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糖尿病改善の運動はいつがオススメ?
糖尿病の運動療法は、ブドウ糖の消費を増やし、また低下しているインスリンの効き目を改善して血糖を下げます。
通常、血糖値は食後1時間頃にピークを迎え、その後徐々に低下し、食事をするたびにこの上下を繰り返します。
そこで、血糖コントロールを行う上では、最も血糖値が高くなる食後1時間頃に運動療法を行うのが最適です。
また、血糖値が低い時に運動をすると低血糖を起こすことがあります。
特に血糖降下剤やインスリン治療を受けている方は起床後や食前の空腹時の運動は避けるようにしましょう。
参考文献:糖尿病のため運動療法をしています。運動は食前・食後、どちらが効果的ですか? | オムロン ヘルスケア
糖尿病に効果的な運動の時間帯!食前と食後ではどっちがオススメ?
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まとめ
運動は継続することが何よりも大事です。
最初から運動量が多く、ハードなものを選ぶと長続きは難しくなります。
軽い運動から始め、少しずつ運動量を増やしていきましょう!
また、運動を始める前は必ず準備運動を行い、その日の体調に合わせた運動を行うようにしてくださいね!
決して無理はせず、運動による毎日のちょっとした効果を感じましょう!
宮原恭樹のプロフィール
宮原恭樹(Koyju Miyahara)
大阪府出身 1994年生まれ
・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
・日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者(JATI-ATI)
・赤十字救急法救急員
・トリガーポイントマスタートレーナー
【 コメント 】
初めてパーソナルジムへ行く時は、どんなトレーナーが指導をしているのか不安になりますよね。
私の1番のこだわりは、カウンセリングを行いながらお客様の緊張をほどいて、ストレスなく楽しんでトレーニングを受けていただくことを常に心がけていることです。
なりたい女性像や今抱えているお悩みなど、カウンセリングの時間をしっかり取ってたくさん会話をさせていただくので、不安を解消して今必要なトレーニングをご提案することができます!
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